クラウドファンディングを開始 患者様一人一人の症状に合ったオーダーメイド治療の確立へ ~抗がん剤治療の苦しい経験を少しでも減らすために~
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大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵外科の木村 健二郎講師、江口 真平大学院生らの研究グループは、国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、2021年1月25日(月)より「"難治癌の代表"膵臓癌に対し、個人にあった治療法開発をしたい」を開始し、300万円を目標に寄附金支援金の受付を開始します。このたびのクラウドファンディングをはじめ、本研究について、ぜひともご取材くださいますようよろしくお願い申し上げます。
プロジェクト概要
プロジェクト始動の背景
肝臓、胆道、膵臓の悪性疾患は早期診断が難しい上に手術も高難度のものが多く、いずれも『難治がん』の代表とされています。中でも膵臓癌の治療成績は他の悪性疾患に比較して劣っており、5年生存率は10%に満たないと報告されています。膵臓癌の根治治療は外科治療による完全切除のみとされていますが、早期発見が難しく、手術を受けられる病状の方は全体の約30%、また、手術で完全切除できても約8割の方が再発すると言われています(*)。切除不能、あるいは転移?再発膵臓癌に対しては抗癌剤治療が行われており、数種類の抗癌剤から適切な薬剤を選択する必要がありますが、現段階では臨床試験の結果から得たデータや診療ガイドラインを元に決定していて、個々の患者様の特性や癌組織に応じた薬剤を選んでいるとは言えません。
*Epidemiology of pancreatic cancer: Global Trends,Etiology and Risk Factors. World J Oncol.2019;10(1):10-27
患者様一人一人の症状に合ったオーダーメイド治療の確立へ
そこで手術時に患者様から摘出した腫瘍の一部をラットに移植し、患者様由来の腫瘍ラットモデルを作成します。腫瘍ラットモデルに現在膵臓癌で使用されている抗癌剤を投与することで患者様に適した治療薬が選択できるようになります。現在はどの抗癌剤が効くか主治医の経験で決めていますが、個々の腫瘍にあわせて行なったラット実験の結果から患者様一人一人にあう抗癌剤を順位づけ、より適切な治療薬を見つけることができるオーダーメイド治療につながると考えています。昨年は患者腫瘍移植ラットモデルの作成に成功し、今年は抗癌剤感受性試験を行います。今回クラウドファンディングで募る資金は抗癌剤購入費に充てさせていただきます。
※レジメン…抗がん剤を実際投与する場合の計画書
研究者からのコメント
私たち外科医は膵臓癌を患っている患者様を日々診察し、患者様にとって本当に適した治療は何なのかもどかしさを感じることがあります。患者様に適した抗癌剤を選択することでつらい抗癌剤治療の負担を少しでも減らし、患者様の闘病生活を少しでも支えたいと考えています。この研究を行うことでその手助けができると思っています。ご支援の程何卒よろしくお願い致します。
クラウドファンディングについて
「"難治癌の代表"膵臓癌に対し、個人にあった治療法開発をしたい」
実行者:大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵外科 木村健二郎
目標金額:300万円
募集期間:2021年1月25日(月) ~4月23日(金) 23時
形式:寄附型 (目標額を達成した場合のみプロジェクトが成立します)
URL:https://readyfor.jp/projects/48138
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